仮想化エンジニア奮闘記

Citrix や VMware といったサーバー・デスクトップ仮想化の最新技術や設計情報の検証結果を共有します。(本ブログは個人のものであり、所属する会社とは関係ありません。)

vSANやるぞー!(12)-Erasure Coding

皆さまお疲れ様です。
これまでのvSANの記事では障害時の挙動やメンテナンスモードの挙動を見てきましたが、本日からはvSANの少し踏み込んだ機能についてブログ記事にしてゆこうと思います。

 

まず、1発目がErasure Coding(イレージャーコーディング)となります。

 

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前:vSAN環境でのメンテナンスモード移行

次:vSANをiSCSIターゲットに①

※本記事はvSphere 6.5、vSAN 6.6.1 を前提としています

 

Erasure CodingはvSAN 6.2から使用できるようになった機能で、vSANにおけるRAID5・RAID6を実現する(実データのフラグメント+パリティをESXiホスト跨ぎで保存する)機能です。

 

vSAN 6.1まではvmdkの冗長化方式はRAID1に相当するvmdkの多重化しか選択肢がありませんでした。従って、仮想マシンデータを冗長化するためには最低でもvmdkの2倍(3重化なら3倍)のディスク容量が必要でした。

【RAID1】 FTT=1

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vSAN 6.2以降ではRAID5・6相当の冗長化方式が利用できるようになり、冗長性を担保しつつもデータ容量をRAID1方式よりも抑えることが可能となりました。

 

【RAID5】 FTT=1 ※RAID1(160GB)に比べて33%データ消費量を削減

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【RAID6】 FTT=2 ※RAID1(240GB)に比べて50%データ消費量を削減

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但しディスク容量が削減できる一方で、例えばWrite I/O時に追加でRead/Write I/Oが発生するなどRAID5 or RAID6はI/Oが増大します

容量とパフォーマンスはトレードオフの関係と考えて頂ければと思います。

 

※I/O増大については下記の記事が大変参考になりました。

【参考】Virtual SAN – RAID-5/6 | over a Radler

 

 

 ◆Erasure Coding利用時の考慮事項

仮想マシンの冗長性を担保しつつも、RAID1よりディスク容量を削減できるErasure Codingですが、使用に当たって考慮事項があります。下記に考慮事項をまとめます。

 

① vSAN All Flash Typeであること

② vSAN Advanced / Enterprise Editionが必要

③ オンディスクフォーマットバージョン3.0以上(=vSAN 6.2以上)が必要

④ vSANクラスタがストレッチクラスタでないこと

⑤ RAID5はESXi4台以上、RAID6はESXi6台が必要

⑥ RAID5ではFTT=1、RAID6ではFTT=2となり、Erasure CodingではFTT=3に設定することは不可

 

【参考】RAID 5 または RAID 6 の設計に関する考慮事項

 

先に記載した通りErasure CodingではI/Oが増大しますが、増大するI/OをものともしないAll Flash Typeが要件となっています。

 

 

◆Erasure Codingの設定

Erasure Coding用の仮想マシンストレージポリシー設定方法を記載します。

自宅の環境はAll Flashではないため(Nested ESXiなのでAll Flashにもできますが面倒くさいので割愛で笑)、ここではWeb上に落ちている画像を参考に設定方法を書いていきます。

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上の画像のように設定は非常に簡単で、「Failure tolerance method」から「RAID-5/6」を選択し、FTTの値によってRAID5 or RAID6を設定する形です。そして、作成した仮想マシンストレージポリシーを仮想マシンに適用する、と。

・FTT = 1の場合:RAID5 になる

・FTT = 2の場合:RAID6 になる

 

 

さて、本日はErasure Condingについて説明をさせて頂きました。

All Flashが必須であることから、導入されるお客様は中~大規模なお客様が多いのかな?とも思いました。今度vSAN導入実績が多いSIerの人や、VMの中の人と会話する機会があれば導入実績を聞いてみたいですね。

それでは本日は以上となります。ありがとうございました。